クリニックコラム 2026/05/22

こんにちは。大阪市中央区心斎橋筋、Osaka Metro「なんば駅」「心斎橋駅」より徒歩3分にある婦人科クリニック「TAKA LADIES CLINIC」です。

トリコモナス腟炎のイメージ

デリケートゾーンに異変を感じたとき、その原因はトリコモナス腟炎かもしれません。これは、性行為によって感染することの多い性感染症の一つですが、初期の段階では自覚症状が乏しいこともあり、気づきにくいという特徴があります。

放置すれば炎症が広がり、日常生活に支障をきたしたり、不妊症のリスクが高まったりすることもあるため、早期の理解と対処が重要です。

今回は、トリコモナス腟炎の原因や症状、治療法、そして放置した場合に起こり得るリスクまで幅広く解説します。

トリコモナス腟炎とは

トリコモナス腟炎が起こる内部構造

トリコモナス腟炎(ちつえん)は、トリコモナス・バジナリスという原虫によって引き起こされる性感染症の一種です。この原虫は性行為を通じて感染することが多く、腟や尿道、外陰部に炎症を起こします。感染すると、強いかゆみや悪臭のあるおりもの、腟の違和感などの不快な症状が現れやすく、日常生活に支障をきたすこともあります。

女性に多く見られる疾患ですが、男性も感染源となることがあり、知らずにパートナーへうつす可能性もあるため注意が必要です。また、感染しても症状がほとんど出ないケースもあり、気づかずに放置されることも少なくありません。

トリコモナス腟炎の原因

トリコモナス腟炎の原因

トリコモナス腟炎の原因であるトリコモナス原虫は、主に性行為を通じて感染します。腟から尿道や膀胱へ広がることもあり、女性だけでなく男性にも感染します。感染しても自覚症状がない人も多く、知らないうちにパートナーにうつすことがあります。

トリコモナス腟炎は、性行為以外が原因になることもあります。例えば、トリコモナスに感染している人が使用したタオルや下着、入浴時に使うスポンジなどを共有した際に、腟内へトリコモナスが移動して感染することがあります。

トリコモナス腟炎の症状

トリコモナス腟炎の症状としての外陰部や腟内のかゆみ

症状の出方には個人差があり、軽度で済むこともあれば、強い不快感が続くこともあります。ここでは、トリコモナス腟炎でよく見られる主な症状について詳しく解説します。

おりものの変化

トリコモナス腟炎で最もよく見られるのが、おりもの(帯下)の変化です。あわ状で悪臭の強いおりものが増加するケースが多く、下着が常に湿っている、洗濯してもにおいが取れないといった悩みにつながることがあります。

外陰部や腟内のかゆみ・痛み

トリコモナス腟炎にかかると、外陰部や腟内にかゆみや違和感を覚えることが多くあります。腟内が炎症を起こすことで敏感になり、わずかな刺激でもムズムズ感を覚えたり、日常生活の中で不快に感じたりするのです。

また、かゆみと同時にヒリヒリとした痛みが出ることもあり、かきむしることで症状が悪化するケースもあります。特に夜間や入浴時など、リラックスした状態でかゆみが強まる傾向があります。

症状が数日続く場合には、早めに婦人科を受診することが大切です。

においの変化

トリコモナス腟炎では、特徴的なにおいが現れることがあります。「魚が腐ったようなにおい」と表現されることも多く、不快感を強く伴うため、日常生活や人間関係にも影響する可能性もあります。原因は、トリコモナス原虫が腟内で増殖する過程で発生するガスや代謝産物です。

症状が進行するほどにおいは強くなる傾向があり、おりものや下着にまでそのにおいが移ることもあります。普段とは違うにおいに気づいたときは、軽視せず早めに医療機関を受診し、原因を特定することが重要です。

排尿時の違和感や痛み

尿道にも炎症が及ぶと、排尿時に違和感や痛み(排尿痛)を感じることがあります。症状は軽度なこともあれば、我慢できないほどの痛みを伴うこともあります。

トリコモナス腟炎の検査・診断方法

トリコモナス腟炎の検査・診断方法としてのおりものの顕微鏡検査

トリコモナス腟炎の症状は他の性感染症と似ていることが多いため、正確に診断するには専門的な検査が必要です。以下に主な検査方法をご紹介します。

おりものの顕微鏡検査

最も一般的な検査方法が、腟分泌物(おりもの)を採取して顕微鏡で観察する方法です。

ただし、検出率は検体の状態や採取のタイミングに左右されることがあり、感染していても陰性になる場合があります。そのため、確実な診断が必要な場合はほかの検査とあわせて行うことが一般的です。

分泌物の培養検査

腟分泌物を培養し、トリコモナス原虫の有無を調べる検査です。採取した分泌物を特殊な培地に一定期間培養し、原虫が増殖するかどうかを観察します。

トリコモナス原虫を一定期間培養して判定するため、検査結果が出るまでに数日かかりますが、診断の正確性を高めることができます。特に、顕微鏡検査では確認が難しかった場合に有効な検査方法です。

遺伝子検査(PCR検査)

近年では、遺伝子検査(PCR法)による診断も行われるようになっており、わずかな量のトリコモナス原虫の遺伝子を短時間で検出することが可能です。非常に高い正確性を持ち、症状が軽い場合や無症状のケースでも感染を確認できるメリットがあります。

トリコモナス腟炎の治療法

トリコモナス腟炎治療の内服薬

トリコモナス腟炎は、きちんと治療すれば完治が見込める感染症です。自己判断で市販薬を使うのではなく、必ず医療機関を受診して、適切な治療を受けることが重要です。

また、症状が消えたからといって自己判断で治療を中断せず、医師の指示に従い、最後までやりきることが早期の回復と再感染予防につながります。

内服薬による治療

トリコモナス腟炎の基本的な治療は、抗原虫薬の内服です。通常、1回2錠を1日2回、5〜7日間服用する方法が一般的です。

薬の服用中から症状の改善が見られることが多いですが、処方された分は飲み切る必要があります。途中で服用をやめると、症状は一時的におさまっても再発する可能性が高くなります。

また、服用中はアルコールを摂取すると悪心や嘔吐などの副作用が出やすくなるため、治療期間中の飲酒は控えてください。

塗り薬や腟錠による局所治療

症状が軽い場合や、妊娠中などで内服薬の使用を避けたいときには、塗り薬や腟錠による局所治療が行われることがあります。腟錠を腟内に挿入して直接症状のある部分に薬を届けることで、かゆみや炎症を和らげる効果が期待されます。

ただし、内服薬と比べると治療効果が限定的な場合があるため、症状や状況に応じて使い分けることが大切です。

パートナーの同時治療

トリコモナス腟炎は性行為を通じて感染する病気のため、ご自身だけが治療を受けてもパートナーが未治療のままだと再感染するおそれがあります。これを防ぐためには、症状の有無にかかわらず、パートナーも一緒に治療を受けることが大切です。

パートナー側の治療を怠ると、お互いに何度も感染を繰り返す原因になることがあります。治療中は性交渉を控えることも重要です。

治療後の再検査

治療が終わったあとも油断は禁物です。たとえ症状がなくなったとしても、体内にトリコモナスが残っていることがあります。そのため、治療が完了したあとには、確認のための再検査を受けることが大切です。

多くの医療機関では、治療後1~2週間ほど経ってから再検査を行います。もし再検査で陽性が確認された場合には、再度治療が必要になることもあります。

また、トリコモナスは再感染しやすい感染症でもあるため、治ったあとも定期的に婦人科検診を受けることが推奨されます。とくに、パートナーとの性的接触がある場合や、症状の再発が心配な方は、定期的なチェックを習慣にすることで再発や悪化を防げます。

トリコモナス腟炎を放置するリスク

トリコモナス腟炎を放置するリスク

トリコモナス腟炎は自然に治ることが少なく、放置するとさまざまな悪影響を及ぼすおそれがあります。ここでは、治療をせずに放置した場合に起こりうるリスクを解説します。

症状の悪化と生活への支障

トリコモナス腟炎を治療せずにいると、かゆみやおりもの、においが徐々に強くなり、日常生活に支障をきたすことがあります。下腹部に痛みを感じたり、排尿時に違和感が出たりと、症状が広がるケースもあります。

慢性的な不快感が続くと、気分が落ち込んだり集中力が低下したりと、精神的なストレスにもつながるおそれがあります。

パートナーへの感染

トリコモナス腟炎は、性交渉を通じてパートナーに感染するリスクが高い病気です。特に、男性では自覚症状がほとんど見られないため、知らないうちに感染源となり、女性パートナーに再び感染を引き起こす可能性があります。

その結果、治療を受けても再感染を繰り返すことになり、病気の長期化や複雑化を招く可能性があります。症状の有無にかかわらず、パートナーと一緒に検査を受け、必要に応じて同時に治療を行うことが、感染の連鎖を断ち切るためには非常に重要です。

他の性感染症のリスクが高まる

トリコモナス腟炎によって腟粘膜が炎症を起こしている状態では、皮膚や粘膜のバリア機能が低下します。その結果、HIVやクラミジアなどの他の性感染症に感染しやすくなる可能性も考えられます。

特に、HIVに感染した相手と性交渉を行った場合、炎症による傷口からウイルスが侵入しやすくなり、感染リスクが増加するという報告もあります。つまり、トリコモナス腟炎をそのままにしておくと、さらに重い性感染症を引き起こす可能性があるのです。

また、複数の性感染症が重なると、治療が複雑になって身体への負担も大きくなります。自分の健康を守るだけでなく、大切な人を守るためにも、早期の治療が重要です。

不妊症のリスクが高まる

トリコモナス腟炎を放置すると、炎症が子宮や卵管にまで広がる可能性があり、結果として不妊の一因となることがあります。また、炎症があることで受精卵が着床しにくくなる可能性もあります。

妊娠を希望する人にとっては、早期治療がとくに重要になります。感染を自覚した時点で、できるだけ早く治療を受けることが望まれます。

まとめ

トリコモナス腟炎のイメージ

トリコモナス腟炎は、性交渉を通じて感染することが多く、女性だけでなく男性にも感染する性感染症のひとつです。おりものの変化やかゆみ、においの変化といった症状が現れることが多く、日常生活にも支障をきたす可能性があります。

感染しても気づかないこともあり、放置すれば症状が悪化したり、他の性感染症のリスクが高まったり、妊娠や出産に影響を及ぼす可能性もあります。

トリコモナス腟炎は内服薬や腟錠で治療が可能です。正しい知識を持ち、早めに医療機関を受診すれば、症状は改善して再発や再感染を防ぐこともができます。繰り返さないためにも、パートナーと一緒に検査や治療を受けることも非常に重要です。

トリコモナス腟炎の治療を検討されている方は、大阪市中央区心斎橋筋、Osaka Metro「なんば駅」「心斎橋駅」より徒歩3分にある婦人科クリニック「TAKA LADIES CLINIC」にお気軽にご相談ください。

当院は、女性患者さんが安心できる空間を提供することを意識してさまざまな診療にあたっています。人工妊娠中絶手術だけでなく、アフターピル、ピルの処方や、ブライダルチェック、不妊治療、性病・性感染症の検査・治療なども行っています。

当院のホームページはこちらWEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。

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