こんにちは。大阪市中央区心斎橋筋、Osaka Metro「なんば駅」「心斎橋駅」より徒歩3分にある婦人科クリニック「TAKA LADIES CLINIC」です。

性病とは、主に性行為を通じて感染する病気の総称であり、若年層から大人まで年代に関わらず感染するリスクがあります。初期症状が軽かったり、自覚症状が全くないまま進行することもあるため、気付かないうちにパートナーに感染が広がるケースも少なくありません。
特に、クラミジアや淋病、梅毒や性器ヘルペスなどは代表的で、放置すると不妊症や慢性的な痛みといった長期的な健康リスクにつながることもあります。
この記事では、性病とは何か、種類ごとの特徴や症状、感染経路と治療方法、そして予防方法までくわしく解説します。ぜひ参考にしてください。
性病とは

性病とは、主に性行為を通じて感染する細菌やウイルス、寄生虫などが原因となる感染症の総称です。医療の場では性感染症とも呼ばれます。
性感染症は、性器同士の接触だけでなく、口腔や肛門周囲の接触によっても感染する可能性があり、近年では若年層から成人まで幅広い年代で報告が増加しています。種類によって症状の現れ方が異なり、自覚症状が乏しいケースも多いため、気付かないうちに感染が広がることもあります。
いずれの性病も、早期発見と適切な治療が健康を守るために欠かせません。症状がなくても不安があれば検査を受け、パートナーとともに予防を意識することが大切です。
性病の種類

性病には多様な原因があり、種類によって症状の現れ方が大きく異なります。ここでは、代表的な性病のそれぞれの特徴と、症状について解説します。
クラミジア感染症
クラミジアは日本で最も多い性感染症の一つで、特に若い女性に多くみられます。女性ではおりものの増加、下腹部の鈍い痛み、性交痛などが生じることがあります。男性では、排尿時の痛みやかゆみ、尿道からの透明な分泌物や膿が特徴です。
しかし、男女ともに症状が出ないまま進行するケースも少なくありません。放置すると精巣の炎症や卵管炎だけでなく、不妊につながる可能性があるため注意が必要です。
淋菌感染症
淋菌感染症は、淋菌という細菌によって起きる感染症で、省略して淋病とも呼ばれます。この感染症は強い膿のような分泌物やおりものの変化、排尿時の激しい痛みが現れやすいです。
男性では症状が出やすい一方、女性は軽度で気付きにくい場合もあります。
淋病は性器周辺だけでなく、のどや大腸などにも感染します。例えば、咽頭に感染すると、喉の痛みや違和感など風邪に似た症状が出ることもあります。
梅毒
梅毒は近年急増している性感染症のひとつで、段階的に症状が変化することが特徴です。初期には痛みのないしこりや潰瘍が性器や口の周囲に出現し、自然に消えるため放置されがちです。
進行すると発疹が全身に現れ、さらに進行すると全身の発疹や発熱、リンパ節の腫れなどが起こります。放置すると神経系や心血管系に影響して、腫瘍や神経マヒなどの重篤な合併症へ進む可能性があります。
性器ヘルペス
性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルスによって起こり、強い痛みを伴う水ぶくれや潰瘍が現れます。男女ともに性器と肛門、その周辺の皮膚に症状が現れ、女性はさらに性器内部や膀胱にも感染します。
初感染時は特に激しい症状が出やすく、発熱やだるさを伴うこともあります。ウイルスが神経に潜伏するため、ストレスや疲労で再発しやすい点も特徴です。
尖圭コンジローマ(HPV感染症)
HPVと略されるヒトパピローマウイルスに感染すると、性器や肛門周囲にイボ状の隆起ができる症状が現れることがあります。この病気を尖圭コンジローマと言います。
痛みやかゆみがない場合も多いものの、放置するとイボが増えたり大きくなったりして、見た目が気になることも少なくありません。この感染症は、ウイルスの型によっては子宮頸がんや陰茎ガンの原因になる可能性もあります。
その他の性感染症
トリコモナスという寄生虫が、性器の中に入ることで発症するトリコモナス症や、マイコプラズマ・ウレアプラズマによる感染症、さらにはB型肝炎やC型肝炎などが性的接触を通じて感染することもあります。
性病は複数が同時に感染することも珍しくないため、症状の有無にかかわらず不安がある場合は早めに検査を受けましょう。
性病の主な感染経路

性病は性行為による感染が中心ですが、その範囲は性器同士の接触に限らず、さまざまな経路が存在します。以下でくわしく解説します。
粘膜同士の接触による感染
性感染症の感染経路として最も多いのが、膣性交や肛門性交、口腔性交といった性行為における粘膜同士の接触です。粘膜は外部からの刺激に弱く、微細な傷がつきやすいため、そこから病原体が体内へ入り込むことで感染が起きます。
クラミジアや淋菌、梅毒、ヘルペス、HPVなど多くの代表的な性病が、粘膜同士の接触で広がります。
血液を介することによる感染
精液や膣分泌液だけでなく、血液にも高濃度の病原体が含まれている可能性があります。病原体が含まれている血液が粘膜や傷から体内に入ることでも感染が起きるのです。
HIV や B 型肝炎、C 型肝炎などは血液などの体液を介して感染することが知られており、性行為中の出血や注射器の使いまわしなどによりリスクが高まります。
皮膚の接触による感染
皮膚や粘膜にできた病変部位が接触することで、感染するケースもあります。性器ヘルペスの水ぶくれや尖圭コンジローマのイボは、目に見える状態だけでなく、症状が出ていない時期でもウイルスが排出されていることがあり、症状が出ている部分が皮膚や粘膜に接触して感染が広がります。
母子感染
梅毒や淋病、HIVやクラミジアなどの性病にかかっている女性が出産すると、生まれてきた赤ちゃんにそれらが感染することもあります。妊娠中に梅毒にかかると、早産や死産の原因になったり、先天的な疾患につながったりする原因にもなります。
また、出産時に産道を通してクラミジアや淋菌に感染すると、結膜炎や肺炎を引き起こす恐れもあるのです。
性病の治療方法

性病の治療は、原因に応じて適切な薬剤を選択することが基本です。そして、治療において特に重要なのは、パートナーも一緒に検査と治療を受けることです。片方だけが治療をしても、もう一方が感染していれば再感染を繰り返す恐れがあるためです。
以下で、性病の種類ごとの治療方法について詳しく解説します。
細菌性の性病の治療
クラミジアや淋病、梅毒といった細菌性の性感染症には、抗生物質が用いられます。クラミジアにはマクロライド系やテトラサイクリン系、淋病にはセフェム系などが一般的に使用され、梅毒にはペニシリン系抗菌薬が基本的な治療とされています。
症状が軽い場合でも、治療を中断すると再発したり薬剤が効きにくくなる耐性の問題が生じたりするため、医師の指示に従って服薬を完了することが重要です。
ウイルスによる性病の治療
性器ヘルペスやHIVなどウイルスが原因の性感染症は、ウイルスそのものを体内から排除することを目標に治療を行います。
性器ヘルペスには内服や外用の抗ウイルス薬が用いられ、症状の軽減や再発の抑制が期待できます。HIV に対しては複数の抗ウイルス薬を組み合わせた治療が基本で、適切に継続すればウイルス量を大幅に抑え、健康な生活を維持できます。
そのほかの治療方法
尖圭コンジローマでは、薬剤による治療のほか、病変部分を液体窒素で凍結したり電気焼灼で除去したりする方法が用いられます。トリコモナス症などの寄生虫性疾患には、専用の抗原虫薬が使用されます。
性病を予防するには

性病を防ぐためには、日常の行動やパートナーとの関係性の中でいくつかのポイントを意識することが大切です。性病の予防は、一つの対策だけでなく複数の取り組みを組み合わせることで効果が高まります。
以下で、それぞれくわしく解説します。
コンドームなどの避妊具の使用
最も重要なのはコンドームの適切な使用です。性器の接触だけでなく、口腔性交や肛門性交でも、コンドームを使うことで粘膜や体液の接触を防ぎ、多くの性病の感染リスクを下げることができます。
ただし、ヘルペスや尖圭コンジローマのように皮膚の接触で広がる感染症は完全には防げない場合があるため、過信は禁物です。
交友関係などを見直す
不特定多数との性行為や、パートナーの感染状況が不明な状態での接触はリスクを高めます。信頼できるパートナーとの関係を築き、双方が健康状態を把握しておくことが予防につながります。
性行為前後の習慣を見直す
性器だけでなく、手や口、皮膚にはさまざまな菌が付着しています。そのため性行為の前に入浴や手洗い、うがいを行い清潔にすることで感染リスクを減らすことができるでしょう。
また、性行為後に排尿をすれば、尿道内に入った菌やウイルスが増殖する前に外に出すことができ、病気になるリスクを減らせます。
ワクチンを接種する
HPVワクチンのように予防効果が認められているワクチンを、適切なタイミングで接種することも重要です。HPVワクチンは子宮頸がんの予防だけでなく、尖圭コンジローマの発症リスクを下げる効果があります。
また、B型肝炎などのワクチンも接種することができるため、感染を防いだり、重症化のリスクを減らせるでしょう。
まとめ

性病とは、性行為を中心としたさまざまな経路で感染する病気の総称であり、種類ごとに原因や症状、治療法が大きく異なるため、正しい知識を持つことが予防と早期発見の第一歩となります。
また、性病の感染は粘膜や体液の接触、皮膚の病変部位との接触など、多様な経路で広がる可能性があります。予防の基本はコンドームの適切な使用ですが、これだけで全ての性感染症を完全に防げるわけではありません。
定期的な検査やワクチン接種、パートナーとのコミュニケーションの見直しなど、複数の対策を組み合わせることでより高い予防効果が期待できます。性病に関する正しい知識を身につけることで、自分自身と大切なパートナーを守るための第一歩になります。
性病の予防・治療を検討されている方は、大阪市中央区心斎橋筋、Osaka Metro「なんば駅」「心斎橋駅」より徒歩3分にある婦人科クリニック「TAKA LADIES CLINIC」にお気軽にご相談ください。
当院は、女性患者さんが安心できる空間を提供することを意識してさまざまな診療にあたっています。人工妊娠中絶手術だけでなく、アフターピル、ピルの処方や、ブライダルチェック、不妊治療、性病・性感染症の検査・治療なども行っています。